子どものあそびはなぜ行われるのか・・・おもちゃを通して探していきます。

■ モビール

モビール

モビールは、紙やプラスチック、金属や木の板のような軽い素材を天井から糸でつるした彫刻作品です。アメリカの彫刻家アレキサンダー・カルダーが、船乗りをしていたときモナコの港で見た景色、東に昇る太陽と西に沈む月の美しい景色にインスピレーションを得て創作したと言われています。中心点でバランスを取って装飾配置したもので、風や人の手で動かすと複雑な形に変化します。
近年、モビールは乳児の保育などに使われ、赤ちゃんの視覚を楽しませる玩具として愛用されるようになってきました。

保育玩具としてのモビール

モビールはラトル(ガラガラ)と同様に赤ちゃんがはじめて出会う玩具の一つです。生後3ヶ月くらいになると、呼吸、消化、血液循環といった身体活動が安定してくると言われています。自律神経系がそれらの機能を引き受け、胎生期の循環経路が閉鎖されてくるということです。お母さんが赤ちゃんの世話に一安堵し、外に連れ出し始めるのもこの頃からです。
モビールは、赤ちゃんの視覚を刺激する玩具です。自然の風や室内の空調機器から来る空気の流れによって、静かに動くモビールを赤ちゃんが不思議そうに眺めていることがあります。精神分析の用語で注意カセクシスという言葉がありますが、見るという行為を通して、本能のエネルギーが対象に注がれていると考えられています。一方で認識論学者のピアジェは、見ることを栄養にして見ることを学ぶと表現しています。

生後5〜6ヶ月になってくると、赤ちゃんは仰向けの状態を嫌がるようになってきて、抱っこしてくれと言う要求が出てきます。対象を側面から見たいという要求のようで、モビールがあると抱っこしながらモビールを見てあそぶことができます。お母さんと赤ちゃんが同じものを見る行為を共同注視と言いますが、モビールから始まってお部屋のいろいろなものを見て、モビールのあるところに戻ってくるなど、見るお散歩はこの頃の赤ちゃんにとって楽しいものです。生後8〜9ヶ月頃になると、抱っこした状態でモビールに近づいたり遠のいたりしてあげるとゲラゲラ笑ったりします。これは遠近の感覚、対象が遠のいたり近づいたりすることがおもしろいようです。1歳を過ぎたくらいから人差し指を伸ばしてモビールを指さす行為が出てきますので、お外にも出かけていろいろなものを見てあそびましょう。1歳半くらいから言葉が分化し始めて、通常1歳10ヶ月位になるとワンワンとニャンニャンの区別ができるようになってきます。モビールの絵柄をいってあそぶことができるようになるのもこのころです。お部屋のスペースにあった大きさで、お好みのデザインでよいと思います。吊したときのモビールの最下部は、お母さんの目の位置と同じくらいが目安です。

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