■ はじめてのおもちゃ【ラトル・歯がため】
噛む衝動は生後6ヶ月から8ヶ月にかけてピークに達してくると言われています。歯がためはこれらの衝動を吸収してくれるもの(object)として赤ちゃんに好まれるようです。噛む衝動は原始的な攻撃的エネルギーで、分離不安からの防衛として発動されます。
生後6ヶ月になった赤ちゃんに歯がためを差し出してみました。見る、腕を伸ばす、つかむ、口に運ぶ、噛む、吸う、持ち替えるなどの行為が見られました。しばらくして、もう一つの歯がためを差し出してみました。赤ちゃんは両手に持った歯がためを打ち合わせるというあそびを発見したようでエキサイトしていました。ときどき勢い余って両手を広げたときに、歯がためが手から離れてしまいます。二つの歯がためがカチカチとぶつかり合って音が出ることに驚いたような様子も見られました。
攻撃的な衝動は対象(object)に吸収されたり、あそび行動に転化され出口を見つけることで情緒が安定してくると考えられます。見る、腕を伸ばす、つかむ、口に運ぶ、噛む、吸う、持ち替えるなどの行為の背景には攻撃衝動があると考えて下さい。これらの行為を認識の面から見ると、様々な物を見ることで見分ける、腕を伸ばす対象との距離、対象の大きさや形によって左右されるつかみ具合など一つ一つの行為に広がりや加減が生じてきます。こうした行為が繰り返され内面化されることで、対象を見ただけで、それにふさわしい行動が発動されてきます。たとえば、大きなボールを見ると両手を広げて近づいてくる、小さなゴミを見つけると親指と人差し指を広げてつまみに来るなど、1歳児くらいになると視覚情報に入力された情報から判断された、それらを操作するにふさわしい行動が見られるでしょう。
歯がためを兼用するものとしてラトル(がらがら)があります。たとえばネフ社のリングリィリングは持ち手の部分が噛みやすいようです。ティキやカレロは吸うという行為を満足させてくれます。シャーフ社のフロイアは振ると鈴の音がします。ハバ社のラトル・バリーノは転がったものを追いかけたり、両手を出してつかみに来ます。このように赤ちゃんの行為はラトルの形態にある程度左右されてきます。
赤ちゃんの今の活動を参考にしながら、握りやすいもの、持ち替えやすいもの、吸うもの、噛むもの、振ると木のふれあう音が出るもの、追いかけてつかむものなど、赤ちゃんとのあそびをイメージしながら選ぶのも楽しいと思います。